生活習慣病と動脈硬化

生活習慣病の定義

生活習慣病とは「食習慣、運動習慣、休養、喫煙、飲酒等の生活習慣が、その発症・進行に関与する疾患群」を表すものとされています。具体的には、毎日のよくない生活習慣の積み重ねによって引き起こされる病気で、代表的なものとして高血圧・糖尿病・脂質異常症(高脂血症)・メタボリック症候群・喫煙などがあげられます。

生活習慣病の危険性

初期の生活習慣病は自覚症状がほとんどありません。そのため痛みなどの異常が感じられたときにはかなり病気が進行してしまっているのです。生活習慣病はまず血管へ負担がかかり、動脈硬化を起こしやすいといわれています。血液の流れや身体機能の低下が現れ始めるため、自覚が無い状態であっても身体や臓器に負担がかかっています。

生活習慣病の危険性

生活習慣病から引き起こされる動脈硬化は、心筋梗塞を中心とした虚血性心疾患と、脳梗塞・脳出血を中心とした脳血管障害の原因となります。日本人の死因の割合を見ると、悪性新生物(がん)と並んで、動脈硬化性疾患が大きな位置を占め、死因の30%以上を占めています。その為、動脈硬化の予防が重要であり、生活習慣病を含めた危険因子を適切に管理する必要があります。

主な死因別死亡数の割合 (平成23年人口動態統計より)

 1位2位3位4位5位
死因 悪性新生物(がん)
28.5%
心疾患
15.5%
肺炎
9.9%
脳血管障害
9.9%
老衰
4.2%

動脈硬化症の危険因子

下記のような危険因子をもつ人は、特に動脈硬化やそれに伴う病気になる可能性が高く注意が必要です。

脂質異常症(高脂血症)
高血圧
糖尿病
喫煙(受動喫煙含む)
慢性腎臓病
早発性冠動脈疾患の家族歴
動脈硬化性疾患の既往
高齢者
男性

生活習慣病・動脈硬化の治療・対策

生活習慣病、ひいては動脈硬化性疾患の最大の治療は、予防と早期発見です。

いかに早く発見できるか、また発症・悪化させないかが重要となります。当院では、生活習慣病・動脈硬化性疾患の危険因子を評価し、危険因子が見つかれば足関節上腕血圧比(ABI)検査や、頸動脈エコーなどを行い早期発見と予防に努めています。健康診断などでいくつものデータが出ると思いますが、動脈硬化性疾患の危険因子を個人個人で理解するということは難しいと思います。不安に感じたら、お気軽に受診をして頂き、まずは今の自分の状態を検査データや医師の問診で知ることから始めて頂ければと思っています。

頸動脈超音波検査

頸動脈超音波検査は、動脈硬化の診断が出来る侵襲の少ない検査で、全身の動脈硬化の程度を表す指標として評価されています。動脈硬化を起こすと血管壁が厚くなったり血栓が確認できたりします。体への負担・侵襲も少なく、動脈硬化の実際の経過を知る事ができ、食生活の改善や運動療法、投薬などによる予防の指導・治療が可能となります。当院では主に水曜午後に実施しておりますので、外来でご相談ください。

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