内視鏡検査について
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Q1内視鏡検査はどのくらい費用がかかりますか?
- 検査費用は、前投薬の内容、生検による病理診断の有無、処置の有無などで大きく異なります。胃の検査の場合、健康保険3割の自己負担では5,000~10,000円程度はかかることが多いです。
大腸の検査でも、病理診断の有無、ポリープ切除の有無で大きく異なります。観察のみの場合で、3割の自己負担では7,000~10,000円程度、ポリープ切除などの処置を行った場合は20,000円~30,000円程度になります。
1割負担の方はそれぞれ上記の1/3の金額が目安となります。 (あくまで目安であり、処置内容・検査項目によっては、金額が異なる場合があります)
- 検査費用は、前投薬の内容、生検による病理診断の有無、処置の有無などで大きく異なります。胃の検査の場合、健康保険3割の自己負担では5,000~10,000円程度はかかることが多いです。
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Q2内視鏡検査にはどのくらい時間がかかりますか?
- 通常、胃の検査の場合は、内視鏡での観察に5分程度かかります。その前にのどの麻酔などの前処置があります。また、検査後10~15分程度お休みの後、結果の説明も当日わかる範囲でおこないます。また、鎮静剤を使用した場合には、検査後30分程度お休みいただいた後に、ご説明します。
大腸の内視鏡検査は、検査時間としては通常15~30分程度かかるとお考えください。挿入が困難な方やポリープ切除など処置の多い方では、それ以上時間がかかることもあります。検査後は1~2時間お休みの後、ご説明をいたします。
- 通常、胃の検査の場合は、内視鏡での観察に5分程度かかります。その前にのどの麻酔などの前処置があります。また、検査後10~15分程度お休みの後、結果の説明も当日わかる範囲でおこないます。また、鎮静剤を使用した場合には、検査後30分程度お休みいただいた後に、ご説明します。
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Q3内視鏡検査の準備にはどんなものがありますか?
- 胃の検査の場合は胃に食べ物が残っていると粘膜の観察が十分できませんので、前日21時より食事は召し上がらずに来院ください。
大腸の検査の場合には、検査前に腸内に残渣が多いと、前処置に手間がかかりますので、2日前よりは消化のよいものをおとりになってください。前日・当日に下剤を内服していただきます。
いずれの場合も、水分は十分とっていただいてかまいません。
- 胃の検査の場合は胃に食べ物が残っていると粘膜の観察が十分できませんので、前日21時より食事は召し上がらずに来院ください。
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Q4検査後、車を運転しても問題ありませんか?
- 胃の検査では、鎮静剤を使用した場合は、検査後意識がハッキリしているつもりでも、多少ぼうっとしていたり、集中力が低下したりすることがありますので、自ら運転することは避けていただいております。
また大腸の検査では、鎮静剤や腸の動きをとるお薬(光をまぶしく感じたりします)を使用しますので、運転は避けていただいております。
- 胃の検査では、鎮静剤を使用した場合は、検査後意識がハッキリしているつもりでも、多少ぼうっとしていたり、集中力が低下したりすることがありますので、自ら運転することは避けていただいております。
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Q5内視鏡検査をうけて、病気が感染したり、事故が起きたりすることはありますか。
- 以前はまれに内視鏡検査によるピロリ菌や肝炎ウイルスの感染などの報告がありました。しかし現在では多くの施設で『消化器内視鏡機器洗浄・消毒法ガイドライン』に準拠した方法で洗浄消毒を行っておりますので、一般細菌や肝炎ウイルスなどが感染することはまずないと考えてよいと思います。もちろん当院でも、『消化器内視鏡機器洗浄・消毒法ガイドライン』に準拠した方法で洗浄消毒を行っております。
偶発症についても細心の注意をして検査を行っていますが、観察のみの場合でも、内視鏡検査にもちいる薬のアレルギーによる危険、内視鏡を挿入することに伴い消化管を損傷する危険、組織を採取する生検による出血などの危険、さらには、内視鏡でおこなう治療処置に伴う穿孔や出血などの危険があり、避けがたい場合があります。最新の日本消化器内視鏡学会の偶発症の報告では、全体で見ると、内視鏡検査による死亡率は0.00084%、出血などの偶発症の頻度は0.018%、と報告されています。
- 以前はまれに内視鏡検査によるピロリ菌や肝炎ウイルスの感染などの報告がありました。しかし現在では多くの施設で『消化器内視鏡機器洗浄・消毒法ガイドライン』に準拠した方法で洗浄消毒を行っておりますので、一般細菌や肝炎ウイルスなどが感染することはまずないと考えてよいと思います。もちろん当院でも、『消化器内視鏡機器洗浄・消毒法ガイドライン』に準拠した方法で洗浄消毒を行っております。
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Q6内視鏡検査は何曜日にやられていますか?予約が必要ですか?
- 当院では、内視鏡検査は診療日毎日行っております。胃の検査は予約制になりますので、一度外来受診もしくは、お電話にて予約をお願いしております。特に内視鏡検査が初めての方や、血をサラサラにする薬(バイアスピリンやプラビックス、ワーファリンなど)を内服中の方は、事前受診をおすすめしております。大腸の検査も予約制ですが、検査前に必ず診察を受けていただきます。その際に、検査の流れや合併症などについてしっかりと説明をしたうえで、検査日を予約させていただきます。
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Q7静脈麻酔を使っての内視鏡検査は受けられますか?
- はい、鎮静剤を使って施術を行っています。緊張して筋肉が縮まることもなく、胃のヒダも広がりますので、むしろお勧めです。麻酔には消化器の専門医が最新の注意を払っていますので、安心してお任せください。
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Q8検査の結果はいつわかりますか?
- 検査の当日にご説明します。患者さんと一緒に画像を見ながら解説していきますので、不明点がございましたら、何なりとその場でおたずねください。なお、病理検査に関しては、後日お知らせいたします。
胃の検査について
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Q1どんな時に胃カメラはうけた方がいいのでしょうか?
- 胃カメラ(胃内視鏡検査)の目的は大きく分けて、胃痛・胃もたれなどの症状があり原因を検査する場合と、症状のない早期胃がんを発見するための検診の場合になります。
日本人の胃がんは近年わずかに減る傾向はありますが、がん死亡数の男女とも胃がんが2位を占めています。症状があるときはもちろんですが、40歳以上になられた方、また40歳以下の方でもご兄弟やご両親が胃がんと診断された方は内視鏡による検診を受けるようにしてください。
- 胃カメラ(胃内視鏡検査)の目的は大きく分けて、胃痛・胃もたれなどの症状があり原因を検査する場合と、症状のない早期胃がんを発見するための検診の場合になります。
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Q2検診では、バリウムの検査や、採血の検査がありますが、どれがいいのでしょうか?
- バリウムの検査は、胃や食道の粘膜の凹凸を「影絵」の原理で見ています。ごく早期の胃がんや食道がんは粘膜の凹凸を伴うことは少なく、粘膜の微細な色彩変化のみの場合がほとんどです。そのため、内視鏡治療が可能な段階の早期胃がんや早期食道がんの発見には、胃バリウム検査では難しいと言われています。 内視鏡検査はバリウム検査などに比べ体内の状況が正確に把握できるため、より精度の高い診断が可能です。
採血の検査では、胃がんの有無を調べているわけではなく、ピロリ菌感染の有無や慢性胃炎の有無を調べることで、「胃がんのなりやすさ」を調べています。胃がんには、ピロリ菌や慢性胃炎に関与しないものもありますので、採血結果が大丈夫であっても、胃がんの早期発見・治療の為には、胃内視鏡検査を定期的に受けることがとても大切です。
- バリウムの検査は、胃や食道の粘膜の凹凸を「影絵」の原理で見ています。ごく早期の胃がんや食道がんは粘膜の凹凸を伴うことは少なく、粘膜の微細な色彩変化のみの場合がほとんどです。そのため、内視鏡治療が可能な段階の早期胃がんや早期食道がんの発見には、胃バリウム検査では難しいと言われています。 内視鏡検査はバリウム検査などに比べ体内の状況が正確に把握できるため、より精度の高い診断が可能です。
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Q3以前に受けたときに凄く辛かったのですが、うまく検査を受けられるでしょうか?(経鼻検査が楽って聞いたんですが)
- 胃の検査のおける苦痛の中で、内視鏡が喉の奥から食道に入るときの「オエッ、オエッ」とスコープを押し出そうとする嘔吐反射が最も辛いといわれる方が多いです。そのため、嚥下反射を起こしづらい経鼻内視鏡検査を耳にされることが多くなったと思います。しかし、経鼻内視鏡検査では、鎮静剤を使用しない場合が多く、嘔吐反射に敏感な方は辛い検査になってしまう場合があります。また、鼻腔が狭い方では痛みが強い時があったり、鼻出血などの合併症が出たりすることがあります。
当院では、検査に対する苦痛を軽減するため、経鼻内視鏡検査で用いる、最新型の細径スコープ(外径約5mm)を用いて、基本的には経口での検査を行っております。また希望される方には、胃内視鏡検査の前処置に少し眠たくなる静脈注射をして、ほとんど眠った状態で内視鏡検査を行うことも可能です。(胃内視鏡検査をしたことも覚えていない方もいらっしゃいます)
また、一般的な大腸の内視鏡検査は、患部を空気で膨らませています。しかし当院の場合、腸内での吸収が約200倍速い「二酸化炭素」を使用しているため、検査後の膨満感を比較的早く引かせることができます。
- 胃の検査のおける苦痛の中で、内視鏡が喉の奥から食道に入るときの「オエッ、オエッ」とスコープを押し出そうとする嘔吐反射が最も辛いといわれる方が多いです。そのため、嚥下反射を起こしづらい経鼻内視鏡検査を耳にされることが多くなったと思います。しかし、経鼻内視鏡検査では、鎮静剤を使用しない場合が多く、嘔吐反射に敏感な方は辛い検査になってしまう場合があります。また、鼻腔が狭い方では痛みが強い時があったり、鼻出血などの合併症が出たりすることがあります。
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Q4ピロリ菌って除菌した方がいいんですか。検査にはどのような方法があるのでしょうか?
- ピロリ菌の詳細については、当院コラム「ピロリ菌と胃がん」をお読みいただければと思います。検査には、採血で行う方法、尿で行う方法、吐く息で行う方法、内視鏡検査中に行う方法があります。それぞれの利点・欠点があり、それらを組み合わせて検査を行っております。また保険診療で、ピロリ菌の検査・除菌を行うためには、通常内視鏡検査で診断を行う必要があります。
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Q5ピロリ菌の除菌の方法を教えてください。一度除菌したけど再発することはありますか?
- ピロリ菌の除菌には、1種類の胃薬と2種類の抗菌薬を1日2回、7日間内服します。 除菌療法は約80%の確率で成功するといわれています。すべての治療が終了した後、8週間以上経過してから(ガイドラインでは4週間となっておりますが、偽陰性の可能性を考慮し、当院では8週間後に行います)、ピロリ菌を除菌できたかどうかの検査を行い、この検査でピロリ菌が陰性化していれば、除菌成功となります。
ただし、除菌に成功した場合でも、15%~20%程度の方は5年以内に再発するといわれています。また、除菌治療によりピロリ菌が消失し胃がんの発生リスクは減少しても、一度進んだ胃粘膜の萎縮は残るため、元々ピロリ菌がいない方に比べると、胃がんの発生頻度が高いことが分かっています。その為、除菌後も胃がんの発生が見られないかどうか1年に1回の定期的な胃内視鏡検査が重要となってきます。
- ピロリ菌の除菌には、1種類の胃薬と2種類の抗菌薬を1日2回、7日間内服します。 除菌療法は約80%の確率で成功するといわれています。すべての治療が終了した後、8週間以上経過してから(ガイドラインでは4週間となっておりますが、偽陰性の可能性を考慮し、当院では8週間後に行います)、ピロリ菌を除菌できたかどうかの検査を行い、この検査でピロリ菌が陰性化していれば、除菌成功となります。
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Q6「ABC検診」とは何のことですか?
- 患者さんを、ピロリ菌の有無や状態によってA群~D群にグループ分けし、それぞれに異なった処置を行っていく方法です。体質ごとの適切な治療が受けられるとされていますが、ABC検診によってどのくらい胃がん罹患率が減少するかは実はわかっていいません。少なくとも現状では、当院では、胃がん検診をABC検診で行うのは時期尚早と考えています。また、グループに分けたところで、定期的な検査を受けた方が良いことには変わりないのです。大切なのは、個別固有のリスクを把握することだと考えます。
大腸の検査について
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Q1便潜血陽性だったのですが、大腸カメラは受けないといけないのでしょうか?大腸がんの検診は便潜血だけで大丈夫でしょうか?
- 便潜血検査(2日法)は便中の出血の有無をみる検査で、大腸がんに対する感度(がんがある場合に陽性になる確率)は80%程度ですが、簡便・低コストなこともあり、一般の検診において多く普及しています。しかし、早期癌やポリープ(腺腫)に対しては感度が低く(10%~50%と研究によってばらつきがあります)、便潜血が陰性でも、内視鏡検査でポリープや早期がんが発見されることが多くあります。一方、2年毎に大腸内視鏡検査(大腸カメラ)を受けるようにすることで、いずれの病変も早期発見・治療ができる可能性が高いと考えられており、当院でも定期的な内視鏡検査を推奨しております。最低限、便潜血検査で陽性になった場合には、必ず大腸の精密検査(大腸内視鏡検査(大腸カメラ))を受ける様にしてください。
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Q2大腸検査はがすごく痛くて辛いと聞いたんですが、大丈夫でしょうか。
- 大腸の検査はつらいから二度としたくないというのを耳にされる方もあるかと思います。胃の場合と同様で、検査の苦痛に個人差があり、また検査医のやり方でも違いが大きいと考えられています。当院では、適切に鎮静剤を使用し、かつ内視鏡による大腸のたわみを極力少なくして深部に進めておりますので、苦痛の少ない内視鏡検査が可能になっています。大腸内視鏡検査は熟練した医師が適切に鎮静剤などを使用して行えば、決して苦しい検査ではありません。また検査を欠かさずに、早期に発見すれば、大腸がんは内視鏡にて切除、完治できます。特に他院で内視鏡検査を受けて苦しかったという方は、少しの勇気を持って一度当院の内視鏡検査を受けてみていただければと思います。
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Q3ポリープを見つけた場合、どのような対応になるのでしょうか?
- ほとんどの大腸ポリープは大腸内視鏡検査中に切除することができます。
外来における内視鏡での切除法は、主に「ホットバイオプシー」「ポリペクトミー」「内視鏡下粘膜切除術」の方法があります(ちなみに切除する時には痛みは全くありません)。ただし、特にポリープが大きい場合や、出血の危険性が高い場合などは、病院での治療をご紹介する場合もあります。
切除したポリープは回収し、顕微鏡検査によって種類を診断し、その後の治療方針の参考にします。ポリープが大腸がんであった場合は、顕微鏡検査の結果によっては、追加治療が必要な場合もあります。
- ほとんどの大腸ポリープは大腸内視鏡検査中に切除することができます。
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Q4ポリープ切除後に生活で注意することはあるでしょうか?
- 内視鏡治療の術後合併症として切除した部分から出血したり、穿孔といって腸に穴があいたりすることがあります。実際には外来での処置では、少量の出血を認めることはありますが(~1%以下)、穿孔することはほとんどありません。ただし、ポリープの形状・大きさによっては、合併症を予防するために、ポリープ切除後およそ1週間はアルコールや腹圧のかかる運動は避けていただく場合があります。
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Q5ひどい便秘なのですが、大腸検査は可能ですか?
- 可能です。前処置でお渡しする下剤とは別に、排便効果のあるお薬を出しすることもできますので、症状に合わせながら検査を進めていきましょう。
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Q6便に潜血があると言われたのですが?
- 進行大腸がんがある場合、便潜血陽性になる可能性は80%程度とされており、必ず大腸の精密検査(出来れば大腸内視鏡検査)を受ける様にしてください。また陰性であったとしても、早期の大腸がんや、ポリープは見落としやすいといわれており、定期的な内視鏡検査をお勧めいたします。
- 進行大腸がんがある場合、便潜血陽性になる可能性は80%程度とされており、必ず大腸の精密検査(出来れば大腸内視鏡検査)を受ける様にしてください。また陰性であったとしても、早期の大腸がんや、ポリープは見落としやすいといわれており、定期的な内視鏡検査をお勧めいたします。
カプセル内視鏡について
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Q1カプセル内視鏡は、どのような場合に用いるのですか?
- 手術後の癒着などで内視鏡の挿入が難しい方にお勧めしています。また、内視鏡検査にどうしても抵抗感を覚える方は、遠慮なくご相談ください。
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Q2保険が適用されるのでしょうか?
- 手術歴があり、医師が必要と認めた場合は適用可能です。単に「通常の内視鏡が嫌だ」というだけでは、自由診療になる場合がございますので、ご了承ください。
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Q3カプセル内視鏡の費用はどのくらいですか?
- 保険適用(3割負担)の場合で約35,000円程度、自由診療の場合は、合計120,000円(税別)程度となります。
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Q4カプセル内視鏡を使った胃の検査は可能ですか?
- 当院ではお受けしていません、大腸のみとなります。検査時には胃を大きく膨らませますので、小さなカプセルには不向きなためです。
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Q5カプセル内視鏡のデメリットは何でしょう?
- 微細な観察に向いていないことです。また、機材のデメリットとは異なりますが、下剤を飲む量が多いので、患者さんの負担もそれなりに増えます。